膝に水が溜まるのは何で?
膝に水が溜まる(関節水腫)の原因は、膝の関節内で炎症や損傷が発生したときに、体が自然に反応して通常よりも比較的多めに関節液を生成するためです。
膝に水が溜まる自然治癒の期間はどのくらい?
軽度のケース
- 1〜2週間で自然に回復することが多いです。この場合、安静にして膝を動かさないようにし、アイシング(冷却)を行うことで早期の改善が期待できます。
中程度のケース
- ケガが少し深刻だったり、変形性膝関節症などが原因の場合は、数週間〜1か月程度の時間がかかります。関節内の炎症が引かない場合や、再発する場合もあります、状況を見ながら適切な対策が重要です。
重度のケース
- 半月板損傷や関節リウマチ、痛み風などの根本的な病気が原因の場合、自然治癒が難しいこともあります。この場合、数ヶ月かかることもあり、治療が必要になることが一般的です。
膝に水が溜まる初期症状にはどんなものがあるの?
1.膝の腫れ
- 初期段階でよく見られるが、膝周囲の軽い腫れです。 膝の関節内部に水分が溜まることで、膝が通常よりも少し大きく見えることがあります。 、左右の膝を比べてどちらかが膨らんでいるように見えることがあります。
2.違和感や重い感覚
- 膝に水が集中し始めると、膝が重く感じたり、突っ張った感じがすることがあります。
3.膝を曲げて伸ばす際の痛みや制限
- 初期の段階で膝を曲げたり伸ばしたりする際に、軽い痛みや違和感を感じることがあります。
4.熱感
- 膝が少し熱を持つことがあります。これは関節内で起きている炎症のサインです。 軽い熱感が膝周囲に広がる場合は、炎症が進行している可能性があります。
5.軽い痛みや不快感
- 初期症状としては、通常は強い痛みではなく、軽い痛みや不快感が感じられることが多いです。 長時間歩いたり、立っているときに、膝がズキズキしたり、疲れやすく感じることがあります。
6.膝に柔らかい部分が現れる
- 膝の前や横に、柔らかく感じる部分ができることがあります。これは溜まった水分が表面に近づいているためです。
膝に水が溜まる原因として考えられる疾患は何?
1.変形性膝関節症(膝関節軟骨の摩耗)
- 概要: 加齢や長年の使用によって膝の関節軟骨が磨耗することで、骨同士が直接こすれ合い、炎症が起きます。その結果、関節内に水が溜まります。
- 症状:膝の痛み、腫れ、こわばり、症状が進むと歩行や階段の上り下がりが困難になることがあります。
2.関節リウマチ
- 概要: 自己免疫疾患で、免疫システムが誤って自分の関節を攻撃し、膝関節にも炎症が発生し、水が溜まることがあります。
- 症状:関節の腫れ、痛み、こわばり、特に朝の関節のこわばり。膝以外の関節への影響も考えることが多いです。
3.半月板損傷
- 概要: 膝のクッションとして働く半月板が損傷すると、膝関節内で炎症が起こり、途中で水が溜まることがあります。スポーツや事故での突然の膝の捻挫や衝撃が主な原因です。
- 症状: 膝の痛み、腫れ、膝を完全に伸ばせない、膝が真っ直ぐに感じられることがあります。
4.靭帯損傷(前十字靭帯や内側側副靭帯の損傷)
- 概要: 膝の安定性を持続靭帯が損傷すると、膝関節内炎症が生じ、水が溜まることがあります。スポーツでの急激な方向転換や着地失敗などが原因となることが多いです。
- 症状:膝の不安定感、腫れ、強い痛み、膝が抜ける感覚。
5.痛風
- 概要: 尿酸が体内に残り、関節内に結晶化することで炎症を起こします。膝への影響が及び、水も溜まることがあります。
- 症状: かなりな膝の激しい痛み、赤み、腫れ。痛みの風の発作は特に突然起こります。
6.偽痛風
- 概要: カルシウムピロリ酸結晶が膝関節内に沈着し、炎症を起こします。痛風と似た症状ですが、原因となる結晶の種類が異なります。
- 症状:痛風と同様に膝の急激な痛みや腫れが現れますが、尿酸値は正常です。
7.化膿性関節炎(感染による関節炎)
- 概要: 細菌やウイルスが膝の関節内に侵し、感染症を患うと炎症があるので水が溜まることがあります。化膿性関節炎は緊急の治療が必要です。
- 症状:強い膝の痛み、膝の腫れ、赤み、熱感、発熱。
8.滑液包炎
- 概要: 膝の滑液包(関節を保護する小さな液体の袋)が炎症を起こすことで、水が溜まることがあります。膝を長時間使う作業や膝をつくことが多い人に見られます。
- 症状:膝の前面や背面に局所的な腫れ、痛み。
9.膝蓋骨の障害(膝蓋軟化症膝蓋骨脱臼)
- 概要: 膝のお皿(膝蓋骨)のズレや軟化が原因で炎症が起きたり、水が溜まったりすることがあります。
- 症状:膝の前面に痛みがあり、動くと悪化することが多いです。
膝に水が溜まった時、自分でできる対処法はあるの?
1.安静にする
- 膝にかかる負担を軽減するため、ほとんど膝を使わず、安静にすることが大切です。 膝にかかる負担を軽減し、立ち仕事や歩行を控えましょう。
2.アイシング(冷却)
- 炎症を気にするために、膝に氷や冷却パッドを当てることが効果的です。 1回につき15〜20分程度冷やし、その後は数時間ごとに繰り返し行うと良いです。
3.プレス(コンプレッション)
- 膝に圧迫包帯や膝サポーターを使用することで、腫れを抑えることができます。
4.挙上(エレベーション)
- 心臓の高さよりも高く上がることで、血液の流れを抑え、腫れが軽減されます。 座ったり寝転がったりするときは、クッションや枕を使って膝を持ち上げるようにしましょう。
5.非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の使用
- 痛みや炎症が強い場合は、市販の非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を使用することができます。例えば、イブプロフェンやアスピリンが代表的な薬です。薬剤師に相談することが推奨されます。
6.軽いストレッチや膝周りの筋肉強化
- 症状が少し落ち着いてきたら、膝の周囲の筋肉を強化することで、膝にかかる負担を軽減することができます。 特に、大腿四頭筋(太ももの前面の筋肉)を鍛える軽いエクササイズやストレッチが有効です。なお、痛みがある場合は無理な動作は避けましょう。
7.体重管理
- 体重が膝に負担をかけるため、適正な体重を維持することが重要です。 体重の増加は膝にゆっくりな圧力をかけ、水が溜まりやすい原因の一つです。適度な運動を心がけましょう。
8.サポーターや膝装具の使用
- 膝の安定性を高め、負担を軽減するために、膝用のサポーターやテーピングを使用することがあります。 特に、スポーツをする場合や長時間歩く必要がある場合に行われます。
膝に水が溜まる場合、治療法としてどんな選択肢があるの?
1.安静と休息
- 軽度の膝の水溜めの場合、膝にかかる負担を減らし、安静にすることで自然に回復することがあります。
- 体重をかけないために、松葉杖を使うこともあります。
2.アイシング(冷却療法)
- クールパックを膝に当てることで、炎症や腫れを抑え、痛みを軽減することができます。 通常、1回15〜20分程度が推奨されます。
3.圧迫と挙上
- また、足を高く上げて血流を促進することも腫れの軽減に効果的です。
4.消炎鎮痛薬(NSAIDs)
- 痛みや炎症を軽減するために、イブプロフェンやアスピリンなどの消炎鎮痛薬が使用されます。内服薬や外用薬の形態があります。
5.関節穿刺(膝に溜まった水抜き)
- 医師が膝に針を刺して、溜まった液体を抜く手法です。痛みや腫れをすぐに改善できますが、根本的な原因が解決しない限り、再発する可能性があります。
6.コルチコステロイド注射
- 関節穿刺と組み合わせて、炎症を抑えるためにステロイド薬を膝に直接注射することがあります。これにより、痛みや腫れが早く緩和されます。
7.理学療法(リハビリテーション)
- 筋力を強化し、関節の柔軟性を改善するためにリハビリが行われることがあります。適切な運動を行うことで、膝への負担を減らし、再発を防ぐことが期待されます。
8.外科手術
- 関節鏡手術や他の外科手術が必要な場合もあります。関節内の損傷や重篤な炎症がある場合は、手術で根本的な治療が行われます。
9.体重管理
- 体重が膝にかかる負担を増大させるため、体重を減らすことが膝の健康上起こることがあります。
10.根本原因の治療
- 膝水溜りの原因が特定の疾患(例:関節リウマチ、変形性関節症、感染症など)に気づいている場合、原因となる疾患そのものの治療が必要です。
まとめ
膝に水が溜まった際の自宅ケアは、症状を軽減し回復を助けるものですが、根本的な原因に対する治療が必要な場合も多いため、専門家の診断を受けて正しい治療を行うことが大切ですです。