鼠径部痛症候群を理解するための基本知識
鼠径部痛症候群の基礎知識
主な症状
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鼠径部の鈍い痛みや不快感
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運動時や特定の動きでの痛み(ダッシュ、キック、方向転換など)
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安静時には軽快するが、運動で再発
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痛みが片側に限定されることが多い
原因
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筋肉や腱のオーバーユース(特に内転筋や腹筋群)
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不良な姿勢や動作の繰り返し
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股関節の柔軟性低下や骨盤の不安定性
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恥骨周辺の炎症や神経の圧迫
症候群の診断方法
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医師による問診・触診
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MRIや超音波検査による画像診断
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他の疾患(ヘルニア、股関節疾患など)との鑑別診断が重要
治療・治し方
保存療法(基本)
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安静・運動制限
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ストレッチ・筋力強化
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理学療法(理学療法士の指導)
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消炎鎮痛剤の使用
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手術療法(重症例)
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筋腱修復やヘルニア修復など、専門的な手術が行われることも
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痛みの管理と予防
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適切なウォーミングアップとクールダウン
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股関節周囲の筋肉の柔軟性とバランスの強化
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急激な運動量の増加を避ける
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定期的なメディカルチェック
復帰と競技への影響
径部痛症候群からの復帰プロセス
1. 初期対応(炎症期)
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痛みの強い時期は完全休養が基本。
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アイスパックや消炎鎮痛薬の使用で症状を抑えます。
2. 回復期(理学療法)
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理学療法士の指導のもとで、内転筋・腹斜筋・腸腰筋のストレッチと強化。
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股関節の安定性や姿勢の見直しも重要。
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この期間は「痛みの出ない範囲」での運動に留めます。
3. 段階的な運動復帰
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痛みがなくなってから、徐々にランニング→方向転換→スプリント→競技特有の動作へと進めます。
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痛みが再発しないことを確認してから、本格復帰へ。
競技パフォーマンスへの影響
回復すればパフォーマンス復活は可能
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適切なリハビリを行えば、多くのアスリートが競技レベルを維持したまま復帰できます。
影響が残る場合もある
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再発リスクが高い疾患のため、復帰後もメンテナンスが必要です。
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無理な復帰や短縮されたリハビリは、慢性化やパフォーマンス低下を招くおそれがあります。
長期的には「予防的トレーニング」が鍵
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再発予防には、体幹の安定性、股関節可動域、筋バランスの維持が重要です。
復帰までの期間(目安)
重症度 | 休養期間 | リハビリ | 競技復帰 |
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軽度 | 1〜2週間 | 約2〜3週 | 1ヶ月前後 |
中等度 | 3〜4週間 | 約1〜2ヶ月 | 2ヶ月前後 |
重度(手術含む) | 数ヶ月〜半年 | 長期(3ヶ月〜) | 半年〜1年 |
まとめ
正しいケアと準備で再発を防ぎ、万全の状態で競技に戻ることが可能です。より詳しい復帰方法やトレーニングメニューは、専門家に指導してもらい行うようにしましょう。あなたの競技人生を支える為、全力でフォローしてくれることでしょう。