就寝中に足がつる理由を理解しよう
就寝中に足がつる理由とは?
1. 筋肉の脱水・電解質不足
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寝ている間にも汗をかいており、体内の水分やミネラル(カリウム、マグネシウム、カルシウムなど)が不足しがちです。
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これにより、筋肉の収縮と弛緩のバランスが崩れ、つりやすくなります。
2. 血行不良
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寝ているときは体の動きが少なく、特に下肢の血流が低下しやすいです。
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血流が悪いと筋肉に酸素や栄養が届きにくくなり、けいれんを引き起こすことがあります。
3. 無意識の姿勢
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足をピンと伸ばしたまま寝たり、布団の重みでつま先が下向きになると、ふくらはぎの筋肉が縮んだ状態が続き、急につる原因に。
4. 体温の低下・冷え
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睡眠中は体温が自然に下がります。特に足先が冷えると、筋肉が硬直しやすくなり、けいれんを起こすことがあります。
5. 加齢による筋肉の変化
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高齢になると筋肉量が減少し、柔軟性が低下。さらに神経の伝達が鈍くなり、夜間の筋けいれんが増加する傾向があります。
6. 病気や薬の影響
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糖尿病、肝疾患、腎疾患、神経疾患、あるいは一部の薬(利尿剤・スタチンなど)が原因で足がつることもあります。
足がつる症状に隠された病気
1. 糖尿病
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神経障害が進行すると、足のしびれやけいれん、つりやすさが起こる。
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末梢神経の異常により、筋肉の調整がうまくいかなくなります。
2. 腎臓病(慢性腎不全など)
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電解質(カリウム、カルシウム、マグネシウム)のバランスが乱れることで筋けいれんが発生。
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尿の排出に関わる機能が落ち、体内のミネラルバランスに影響します。
3. 肝硬変
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肝機能低下により、アンモニアなどの代謝産物が体内に溜まり、神経や筋肉に悪影響を及ぼします。
4. 甲状腺機能低下症
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代謝が低下し、筋肉が硬くなったり、けいれんを起こしやすくなります。
5. 閉塞性動脈硬化症(ASO)
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足の血管が細くなり、血流不足が起きると、運動時や夜間にこむら返りが多くなります。
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「間欠性跛行(かんけつせいはこう)」という特徴的な歩行障害も。
6. 脊髄疾患・腰椎ヘルニア
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神経が圧迫されることで、脚の筋肉に異常な信号が送られ、つりやすくなります。
7. 静脈瘤(下肢静脈瘤)
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血液が足に滞ると、むくみやけいれんを引き起こすことがあります。
足がつる時の対処法
1. つっている筋肉をゆっくり伸ばす
例えば、ふくらはぎがつった場合は、以下のように対処します:
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座る or 仰向けに寝たまま
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つま先を自分の方にゆっくり引っ張る
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手で補助してもOK(痛みが強い場合は、無理に動かさず少しずつ)
ポイント:勢いをつけずにゆっくり伸ばすのがコツです!
2. 温める
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蒸しタオルやカイロで患部を温めると、筋肉の緊張が緩和されやすくなります。
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お風呂で温まるのも◎(ただし、急激な温度変化には注意)
3. 優しくマッサージ
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筋肉の血流を促すために、つった部分をゆっくりもみほぐす
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痛みが和らいだ後に行うと効果的
4. 水分・ミネラル補給
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発汗後や寝起きなどで脱水傾向のときは、スポーツドリンクや水を飲むと◎
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カリウムやマグネシウムが不足している場合もあるため、バランスの良い食事も大切
高齢者に多い足がつる原因
1. 筋肉量の減少(サルコペニア)
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加齢に伴って筋肉量が自然と減少し、筋肉が疲れやすく・つりやすくなります。
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特に下半身の筋肉は影響を受けやすいです。
2. 血行不良
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動脈硬化や運動不足により、足先への血流が低下しやすくなります。
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これにより筋肉に酸素が届きにくくなり、けいれんが起こりやすくなります。
3. 水分・電解質の不足
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高齢者は喉の渇きを感じにくくなり、慢性的に水分不足になりがちです。
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同時に、ナトリウム・カリウム・マグネシウムなどの電解質バランスが崩れやすいのも原因です。
4. 薬の副作用
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高血圧、心臓病、糖尿病などの持病で利尿剤・スタチン(脂質異常薬)などを服用していると、足がつりやすくなることがあります。
5. 神経や内臓の疾患
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糖尿病性神経障害、腎機能障害、甲状腺機能異常などでも筋肉の異常収縮が起きやすくなります。
6. 冷え
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高齢になると体温調節機能も低下するため、足先の冷えによって筋肉が硬直し、つりやすくなることがあります。